令和5年度学校基本調査:専門学校データのまとめ

令和5年度ーこの情報は過去のデータです
令和6年度のデータは?
都道府県別学校数、生徒数、入学者数等の項目別
「令和6年度学校基本調査結果のまとめ」(専門学校-トップ)をご参照ください
はじめに
2023年12月20日、「令和5年度学校基本調査」が文部科学省から公表されました。「日本の専門学校」で紹介するデータの多くは、12月28日、「令和5年度版」に差し替えました(最新版をリンク/令和6年度)。
専門学校校長、教育部長、企画担当部長へ
「新型コロナウイルス感染症」や「高等教育無償化政策の実施」以降、専門学校を取り巻く環境は大きな変化にあることが、専門学校データに示されています。ナレッジステーションは特に、入学者の変化に注目して、このデータをまとめています(構造は下記のとおり)。
1 学校数の変化
2 入学者数の変化
・内訳:新規高校卒業者の専門学校進学者数
・高校卒業者の進路(大学等データ参照)
概要
専門学校数
令和5年度の専門学校(専修学校専門課程)の数は2,693校。前年度比、28校減少しました。令和元年度から比較すると112校の減少となっています(R2:令和2年度と新型コロナウイルス感染症 * )

専門学校入学者数
令和5年度の専門学校(専修学校専門課程)入学者数は240,626人。前年度比、11,749人(-4.7%)減少しました。令和元年度から比較すると39,381人の減少となっています。減少率は14.1%です。

専門学校生徒数
令和5年度の専門学校(専修学校専門課程)生徒数は555,342人。前年度比、26,180人(-4.5%)減少しました。令和元年度から比較すると42,528人の減少となっています(-7.1%)。
令和5年度からの比較
関連データ:高校卒業者と高等教育機関の入学者
令和年度 | 高校卒業者 | 大学学部入学者 | 短大本科入学者 | 専門学校入学者 |
元年度 | 1,037,284 | 631,273 | 51,306 | 280,007 |
2年度 | 1,141,140 | 635,003 | 49,495 | 279,586 |
3年度 | 1,121,285 | 627,040 | 45,585 | 279,586 |
4年度 | 990,230 | 635,156 | 41,850 | 252,375 |
5年度:A | 962,009 | 632,902 | 37,484 | 240,626 |
A:元年度比 | -75,275 | +1,629 | -13,822 | -39,381 |
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関連データ:高校卒業者と主要進路
令和年度 | 大学学部 進学者 | 短大本科 進学者 | 専門学校 進学者 | 就職者 |
元年度 | 523,466 | 45,798 | 172,059 (16.4) | (17.7) |
2年度 | 529,009 | 44,200 | 174,822 (16.9) | 180,560 (17.4) |
3年度 | 534,312 | 40,969 | 175,185 (17.3) | 159,126 (15.7) |
4年度 | 546,589 | 37,253 | 165,906 (16.8) | 145,887 (14.7) |
5年度 | 546,468 | 32,939 | 155,916 (16.2) | 136,509 (14.2) |
* 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、2019年12月に中華人民共和国湖北省武漢市で「原因不明のウイルス性肺炎」として確認されて以降、世界的に感染が拡大し2020年3月11日にWHO(世界保健機関)のテドロス事務局長が「新型コロナウイルスはパンデミックと言える」と述べるに至った-新型コロナウイルス感染症が社会にもたらす影響-(総務省)
まとめ
「学校基本調査」は、学生募集の視点から見た唯一の公的な市場調査データです。そして、学生募集の成否は学校の経営基盤に直結するため、入学者の動向は、学校経営者や募集担当者にとって重大な関心事項です。
令和に入ってから、専門学校の入学者数は年々減少しています。その背景には、
1- 18歳人口の減少(市場規模の縮小)
2- 高校生の進路ニーズの変化(学びたい学科への関心や大学等への進学志向)
3- 社会環境の変化(企業が求める人材像やスキルの変化)
などが挙げられます。
教育分野・系統別に見ると、入学者数の増減にはばらつきがあります。
最も入学者が減少したのは看護系(4,685人減)、一方で、美容系は1,828人の増加が見られました。このことは、「専門学校=専門教育機関」であり、「設置する学科の内容が入学者の動向に大きく関係している」ことを示しています。
学科再編・校名変更
従来の学科を改編して新しい学科へと変更する動きが進み、学校名も変更される例が増加しています(ナレッジステーションでも、データ修正の対応件数が増えています)。中には、毎年のように学校名を変更する例もあります。ただし、新しい学科名称の多くは必ずしも特色的とは言えず、強いて目立つものとしては「情報系(IT、プログラミング、AIなど)」が挙げられます。
入学者確保・募集戦略で目立つこと
「宣伝(認知)→パンフレット送付・説明会開催(興味関心を持った人の確保)→出願・入試(志願者支援)」という一連の流れにおいて、最初の「宣伝(認知)」の重要性は変わっていません。ただし、その手法は「紙の媒体」から「インターネットメディアの活用」へと移行しています。情報を直接確認できる説明会開催の重要性も増しています。
ナレッジステーションを通じて専門学校を知り(検索)、学校情報を調べ(閲覧)、収集した情報をもとに次の行動(説明会への参加や出願など)に進む利用者は、年々増加しています。また、大学情報の利用者数は、専門学校以上に増えていることも注目されます。
どんなに魅力的な学科でも、知られなければ届きません。
入学者1人が経営を左右する今、検索され、読まれ、行動につながるネット広報が不可欠です。“見つかる工夫”、ナレッジステーションがお手伝いします。
専修学校誕生からの変化をたどる
専修学校が制度化された昭和51年(1976年)当時、専門学校は全国で683校、入学者数は90,619人でした。
それから今日まで、社会の変化や学びのニーズの多様化とともに、専門学校の数や入学者の動向は大きく変化しています。こうした変化の経緯や統計データの推移については、以下のページに詳しくまとめています。ぜひご参照ください。
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